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遺伝:X不活性化中心の調節領域の空間的分離

Nature 485, 7398 doi: 10.1038/nature11049

真核生物の転写調節には離れた位置から働く複数の因子がかかわる場合が多く、ゲノム環境に影響される。その典型的な例の1つが、マウスのX不活性化中心(Xic)で、タンパク質非コード性のXist転写産物の発現制御により、X染色体不活性化(XCI)の開始を調整している。Xistの適切な調節にどの程度のXic配列が必要かは、まだ解明されていない。今回我々は、5C(chromosome conformation capture carbon-copy)法と超高解像度顕微鏡法とを使って、Xistを含む4.5メガ塩基(Mb)領域の空間配置の解析を行った。細胞の分化の前後どちらにも、そして活性、不活性どちらのX染色体にも、200キロ塩基(kb)から1Mbの分離したTAD(トポロジー的に関連したドメイン)が連なって存在することが見いだされた。TADは、H3K27me3ブロック、H3K9me2ブロック、ラミナ関連ドメインといったエピゲノムのいくつかのドメイン規模の要素と関連しているが、依存はしない。またTADは、協調的に調節されている遺伝子群とも関連している。TADの境界を破壊すると異所性の染色体接触が生じ、離れた位置からの転写調節の異常が生じる。Xist/Tsixというセンス/アンチセンス単位から、TADが、染色体の逆方向に調節されている隣接部位どうしの空間的な分離を可能にしている仕組みが明らかになる。XistとTsixそれぞれのプロモーターが隣接するTAD中にあって、各プロモーターの既知の正の調節因子がそのTADに含まれている。我々は、Tsixの新規な遠位調節領域がそのTAD内にあり、それから長い介在RNAであるLinxが作られることを明らかにする。この研究により、哺乳類染色体のシス調節構造の新たな原理が明らかになるとともに、X不活性化中心の完全な遺伝的解析の基盤が整うことになる。

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