Letter 宇宙:連星系中にあって太陽の0.26倍の質量を持つ星からのこと座RR型脈動 2012年4月5日 Nature 484, 7392 doi: 10.1038/nature10966 こと座RR型脈動星は、銀河の年齢決定という目的では古い星種族のトレーサーとして、また近傍銀河までの距離を計測する手段として、広く使われている。そのため、こと座RR型星のOGLE-BLG-RRLYR-02792(ここではRRLYR-02792とする)が食連星系の1つであることが明らかになった際には、相当な関心が集まった。なぜなら、これまでモデルによってしか絞り込めなかった脈動星の質量を正確に決定できる可能性があるからである。本論文では、RRLYR-02792の質量が太陽質量(M◎)の0.26倍であり、したがって古典的なこと座RR型星ではあり得ないことを報告する。我々はモデルを用いて、2.9日の初期周期で互いの周りを軌道運動する、1.4M◎と0.8M◎の質量の星から始まった近接連星系が進化したものとすれば、RRLYR-02792の特性が最もよく説明できることを見いだした。現在観測される連星系は、54億年に及ぶ質量交換によって形成されたもので、目下は非常に短寿命の段階にあり、この脈動星の物理学的な特性によって、ヘルツシュプルング-ラッセル図でこと座RR型星が占めるのと同じような不安定領域に偶然陥っている。この連星と似た系が、こと座RR型星に混じっている可能性はわずか0.2パーセントだけだと考えられ、このことはこと座RR型星で測定した距離が、紛れ込んだこのような連星系によって大きな影響を受けないことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る