Article 気候:最終退氷期の際に地球温暖化に先立って起こった二酸化炭素濃度の上昇 2012年4月5日 Nature 484, 7392 doi: 10.1038/nature10915 南極の氷床コアの記録に見られる二酸化炭素(CO2)濃度と気温の共変動から、更新世の氷期ではCO2と気候の間に密接な関係があったことが示唆されている。しかし、このような気候変動が生じる際のCO2の役割とその相対的な重要性はほとんど解明されておらず、その理由の1つは、氷床コアの重水素の記録には全球の気温ではなく、局地的な気温が反映されていることである。今回我々は、80の代理指標データの記録から全球地表温度の記録を構築し、最終(つまり直近の)退氷期の際の気温はCO2と相関があり、CO2よりもおおむね遅れていることを示す。北半球の気温変動と南半球の気温変動の相違は、海洋堆積物に記録された大西洋の南北方向の鉛直循環の強さの変動と一致する。これらの観測結果と、過渡的な全球気候モデルシミュレーションを合わせると、CO2濃度の上昇によって駆動される、同期した全球的温暖化に重ね合わされた、海洋循環の変化に対する各半球の逆位相の気温応答によって、最終氷期末期における気温変動の大部分が説明されるという結論が裏付けられる。 Full Text PDF 目次へ戻る