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医学:レット症候群マウスモデルでの野生型ミクログリアによる発症抑制の仕組み

Nature 484, 7392 doi: 10.1038/nature10907

レット症候群はX連鎖性自閉症スペクトラム障害である。この疾患はほとんどの症例で、メチルCpG結合タンパク質をコードするMECP2遺伝子の変異が特徴となっている。MECP2は多くの組織で発現するが、この疾患は一般に一次ニューロンの機能障害に起因している。しかし、最近示されたように、グリア、特にアストロサイトもレット症候群の病態生理に影響を及ぼしている。今回我々は、レット症候群のモデルマウスを用い、別種のグリアであるミクログリアの役割について検討する。放射線照射を受けたMecp2ヌルの宿主へ野生型の骨髄を移植すると、ミクログリアの表現型を持つ骨髄由来の骨髄細胞による脳実質の生着が起こり、疾患の発症が抑制される。しかし、頭蓋への放射線照射を鉛のシールドによって遮蔽し、ミクログリアの生着が阻害された場合には、疾患の発症抑制は認められなかった。同様に、Mecp2ヌルの条件下でLysmcreにより骨髄細胞にMECP2を標的発現させると、疾患の症状は著しく軽減された。したがって、複数の手法により、Mecp2ヌルの雄マウスでミクログリアに野生型Mecp2を発現させると、寿命の延長、呼吸パターンの正常化、無呼吸の低減、野生型に近づくほどの体重増加、歩行運動の改善など、多くの病態の発症が抑制された。Mecp2+/−の雌でも、野生型のミクログリアの生着によって有意な改善が認められた。しかし、野生型のミクログリアによるこうした有益な影響は、アポトーシス標的のホスファチジルセリン残基をアネキシンVで遮断して食作用を薬理学的に阻害し、組織常在性の食細胞による認識および貪食を防止した場合には、野生型のミクログリアによるこうした有益な影響は低下した。以上の結果は、レット症候群ではミクログリアの食作用が重要であることを示している。今回のデータは、この重篤な疾患の病態生理にはミクログリアが主要な働きをすることを明らかにし、骨髄移植が実施可能な治療方法となる可能性を示唆している。

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