Letter 量子情報科学:ハイブリッド固体スピンレジスターのための、デコヒーレンスから保護される量子ゲート 2012年4月5日 Nature 484, 7392 doi: 10.1038/nature10900 結合した量子系のダイナミクスを環境によるデコヒーレンスから保護することは固体量子情報処理にとって重大な難問の1つである。作動していない量子ビット(キュービット)は、動的デカップリングにより外界から効率よく分離できることが、個々の固体キュービットに対して最近、実証された。しかし、多数キュービットゲート中にキュービットのコヒーレンスを保護することは簡単な問題ではない。一般的に、デカップリングはキュービット間のダイナミクスを壊し、そのためゲート動作と競合してしまう。この問題は、違うタイプのキュービットが互いに大きく異なる速度で発展し、またコヒーレンスを生じるハイブリッド系では、特に顕著になる。本論文では、標準的なハイブリッド系、すなわち電子–核スピンレジスターに対して、動的デカップリングを量子ゲートと統合した結果を示す。我々の設計した構造は、結合したスピン系の内部共鳴を利用して、ゲートの動作とデカップリングの間の競合を解決する。室温で作動しているダイヤモンド中の2キュービットレジスターを使った実験により、このようなゲートが実証された。量子トモグラフィーにより、このゲート動作に関係しているキュービットは、作動してないキュービットと同じ精度で保護されることが示された。我々は、グローバーの量子探索アルゴリズムも実行し、このアルゴリズムの実行時間が電子スピンデフェージング時間を2桁以上上回っても、90%より高い忠実度を得ることができた。我々の結果は、さまざまな種類の固体キュービット間のデコヒーレンスから保護されたインターフェイスゲートを直接可能にする。最終的には、デカップリングを統合した量子ゲートは、固体デバイスによるフォールトトレラントな量子情報処理の精度閾値に達すると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る