Letter 計測:2.4オングストローム分解能の電子線トモグラフィー 2012年3月22日 Nature 483, 7390 doi: 10.1038/nature10934 透過電子顕微鏡法は、材料科学、ナノ科学や生物学に幅広く応用される強力な画像化手段である。収差補正電子レンズの導入により、透過電子顕微鏡の空間分解能と画質が大幅に向上し、0.5オングストローム未満の分解能が実証された。薄い試料の三次元(3D)構造を明らかにするためには、現在立法ナノメートルの分解能を実現できる電子線トモグラフィーが最適の方法である。最近、離散トモグラフィーを用いて、直径2〜3ナノメートルの銀ナノ粒子の3D原子再構成が行われている。しかし、この統計的方法は粒子の格子構造があらかじめわかっていることを仮定しており、原子が格子にきっちり収まる必要がある。本論文では、試料の構造に関して最初に仮定することなしで原子スケール分解能を実現する、一般的な電子線トモグラフィー法を実験的に実証したことを報告する。新しい投影位置合わせおよびトモグラフィー再構成法を走査型透過電子顕微鏡法と組み合わせることによって、約10ナノメートルの金ナノ粒子の3D構造を2.4オングストロームの分解能で決定した。ナノ粒子内の全原子の位置を明確に特定することはできないが、粒子の一部の領域では個々の原子が観察され、数個の結晶粒を三次元で特定している。明らかになった3D表面形態と内部格子構造は、歪んだ正20面体多重双晶粒子と一致している。我々は、この一般的な方法がナノ材料の原子スケール分解能での3D構造決定ばかりでなく、ほかのトモグラフィー分野の空間分解能と画質の向上に応用できると予想している。 Full Text PDF 目次へ戻る