Letter ナノテクノロジー:光学応答の調節されたキラルなプラズモニック・ナノ構造体のDNAを用いた自己集合形成 2012年3月15日 Nature 483, 7389 doi: 10.1038/nature10889 光の波長と同等あるいはそれ以下の長さスケールで構造化された物質は、通常とは異なる光学特性を示すことがある。そのような材料の構成要素として特に有望なものは金属ナノ構造体で、その構造を変化させることによって、表面プラズモン共鳴、したがって光との相互作用を調節する直接的手段が得られる。しかし、可視光スペクトル域で調節された光学応答を持つプラズモニック材料をトップダウン方式で作製することは、依然として困難である。なぜなら、リソグラフィー法では、真の意味での三次元構造を形成する能力と解像度とが制限されるからである。分子の自己集合を用いれば、これらの制約による制限を受けないボトムアップ式代替作製法が得られる。DNAやペプチドに誘導される集合体形成法は、金属ナノ粒子を制御して配列させ、複雑でしかもキラルな形状を実現できることが、これまでに明らかになっている。今回我々は、DNA折り紙を使うことで、ナノ粒子がナノメートルスケールでらせん状に並んだプラズモニック構造体を高収率で形成できることを示す。理論予測どおり、これらの構造体が溶液中で、可視光波長で明確な円偏光二色性効果と旋光分散効果を示すことがわかった。これらの効果は、2ナノメートル以下の精度で配置されたナノ粒子の集団的プラズモン–プラズモン相互作用に由来している。これまで、スペクトルの可視部における円偏光二色性効果は、有機分子のキラルな形態とナノ粒子のプラズモニック特性を利用することで、ナノ粒子の空間的配置を精密に制御しない場合であっても実現されてきた。これに対して、このナノ粒子集合体が示す光学応答は、我々の理論モデルの通りに、対掌性、色、強度について合理的に設計・調節することができる。 Full Text PDF 目次へ戻る