Letter 脳:随意的な神経プロテーゼ操作技能の学習には皮質線条体回路の可塑性が必要である 2012年3月15日 Nature 483, 7389 doi: 10.1038/nature10845 練習によって新しい技能を学び、習熟する能力には、身体的な技能だけではなく、例えば運動の計画やプロテーゼの動きのような抽象的技能もかかわっている。身体的な技能の学習には、皮質線条体回路の可塑性が関与するとされているが、抽象的な技能の学習にも同様の回路、あるいは過程が関与するかどうかは、まだよくわかっていない。今回、げっ歯類に新しい行動課題を与え、抽象的技能の学習における皮質線条体回路の可塑性の役割を検討した。動物に、実際の運動とは無関係な一次運動皮質の活動を変化させることで、聴覚カーソルのピッチを調節して2つの目標のうち一方に合わせることを学習させた。活動とその結果との関係性を低下させる実験や、知覚特異的な価値低下/無視の試験から、こうした学習された神経プロテーゼの動きが、習慣性ではなく意図的かつ目標指向的であることが実証された。線条体ニューロンは、学習に伴って活動を変え、学習の進行に従って、標的合わせと相関して活動を調節するニューロンの数が増加する。同時に、運動皮質ニューロン活動と線条体のニューロン活動の間に強い相関が出現する。線条体のNMDA受容体を特異的に欠失させると、皮質線条体回路の可塑性発達が障害され、神経プロテーゼ操作技能の学習ができなくなった。これらの結果は、抽象的技能の学習にも皮質線条体回路可塑性が重要であること、および神経プロテーゼの動きは自然な運動学習に関与する神経回路を利用していることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る