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遺伝:真核生物の転写開始前複合体のゲノム全域における構造と編成

Nature 483, 7389 doi: 10.1038/nature10799

遺伝子の転写や調節は、転写開始前複合体(PIC)から始まる。PICの真核生物ゲノム全域にわたる構造的および位置的編成はまだ解明されてない。本論文では、クロマチン免疫沈降物をラムダエキソヌクレアーゼ処理するChIP-exoと呼ばれる手法によって、出芽酵母(Saccharomyces)の6,045個のPICの正確な位置を調べた。RNAポリメラーゼIIや、タンパク質複合体であるTFIIA、TFIIB、TFIID(別名TBP)、TFIIE、TFIIF、TFIIHおよびTFIIKなどのPICはプロモーター内に位置しており、コード領域内には存在していなかった。エキソヌクレアーゼのパターンは、PICの結晶学的モデルに一致しており、いわゆるTATA-lessプロモーターでのTATA様エレメントを同定できるほど高精度であった。これらのPICとその転写開始部位は、TFIIDが存在する部位の下流、+1ヌクレオソームの位置に拘束されていた。TFIIDを欠くがTATAボックスを含むプロモーターでは、+1ヌクレオソームはPICと競合する位置に来るため、このことが転写開始部位を選択する際の許容範囲をより広くしているのかもしれない。メッセンジャーRNAおよび非コードRNAのPICのゲノムでの位置解析から、逆方向に向かう2つのPICが、ヌクレオソームを持たない領域の両側にある境界領域を占めている可能性が明らかになった。これらを明確に検出することが、転写ノイズと真の遺伝子を識別するのに役立つと思われる。

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