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生理:脂質センサーGPR120の機能不全はマウスおよびヒトの両者の肥満を引き起こす

Nature 483, 7389 doi: 10.1038/nature10798

遊離脂肪酸は栄養素としては重要なエネルギー源となり、細胞のさまざまな過程においてシグナル伝達因子としての役割を果たす。いくつかのGタンパク質共役型受容体は、複数の疾患においてだけでなく、生理学的にも重要な遊離脂肪酸受容体であることが明らかにされている。GPR120(O3FAR1としても知られる)は、不飽和長鎖遊離脂肪酸に対する受容体として機能し、脂肪生成、食欲の調節ならびに食嗜好などのさまざまな生理的恒常性の機序にきわめて重要な役割を果たす。今回我々は、高脂肪食を摂取したGPR120欠損マウスは肥満、耐糖能低下および脂肪肝をきたし、脂肪細胞の分化ならびに脂質生成が低下し、肝臓での脂質生成が増加することを明らかにする。これらのマウスの示すインスリン抵抗性は、インスリンシグナル伝達の低下ならびに脂肪組織での炎症増加と関連がある。ヒトの脂肪組織においては、 GPR120の発現は肥満者群ではやせた対照群と比較して有意に高いことを我々は示す。GPR120エキソンの塩基配列解析の結果、肥満被験者ではGPR120のシグナル伝達活性を抑制する有害な非同義置換(p.R270H)が認められた。さらに、ヨーロッパ人集団におけるp.R270Hの変異は、肥満のリスクを上昇させる。今回の研究は、脂質センサーであるGPR120は食物中の脂質の感知に重要な役割を果たし、したがって、ヒトおよびげっ歯類の両者でエネルギー収支の制御の鍵を握ることを示している。

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