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免疫:皮膚感染によって、全身の皮膚に免疫を与える非移動性のメモリーCD8+ TRM細胞が生じる

Nature 483, 7388 doi: 10.1038/nature10851

防御的に働くT細胞記憶は血中やリンパ節内に存在するとずっと考えられてきたが、最近、常在性記憶T(TRM)細胞が媒介する末梢組織における免疫記憶という概念が提唱されている。本論文では、ワクシニアウイルス(VACV)による局所的皮膚感染によって、長寿命で循環しない皮膚CD8+ TRM細胞が生じ、これは皮膚全体に常在することをマウスで明らかにする。このような皮膚TRM細胞は、強力なエフェクター細胞で、皮膚の再感染に対して迅速で長期にわたる防御を与える点で、循環するセントラル記憶T(TCM)細胞より優れている。急性VACV感染後、CD8+ T細胞は皮膚に速やかに動員されることがわかった。CD8+ T細胞の皮膚への動員は、CD4+ T細胞やインターフェロンγに依存しないが、CD8+ T細胞によるE-およびP-セレクチンリガンドの発現が必要である。さらに、並体結合(parabiosis)マウスを使って、循環性のCD8+ TCMと皮膚のCD8+ TRM細胞は共に皮膚感染後に生じることが示された。しかし、CD8+ TCM細胞が血中とリンパ節間を再循環するのに対して、TRM細胞は皮膚に留まっていることがわかった。皮膚CD8+ TRM細胞はエフェクターサイトカインを産生し、感染後少なくとも6ヶ月間は維持される。皮膚CD8+ TRM細胞を持つマウスは、その後のVACV再感染を速やかに排除するが、循環するTCM細胞は備えているが皮膚TRM細胞をもたないマウスはウイルス排除が大幅に損なわれていて、これはTRM細胞がより優れた防御を与えることを示唆している。また、局所的なVACV皮膚感染の結果として生じたTRM細胞が、感染部位ばかりでなく皮膚表面全体に定着し、数か月にわたって存在し続けることを示す。再感染が繰り返し起こると、非常に防御性の高いTRM細胞が、感染していない皮膚に次第に蓄積するようになる。これらの知見は、上皮の外部環境との接触面での防御的免疫記憶についての我々の理解に重要なかかわりがあり、また組織指向性を持つ微生物を防御するワクチンのための新たな戦略を示唆している。

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