Letter 地球:大陸衝突の減速は粘性的なマントルリソスフェアによるもので、地形によるものではない 2012年3月1日 Nature 483, 7387 doi: 10.1038/nature10848 テクトニックプレートの慣性は無視可能な大きさなので、プレートの速度はプレート縁辺に働く力とその底に働く力の釣り合いから生じる。海洋磁気異常から得られた過去のプレート運動の観測結果から、大陸の変形がどのようにしてプレート駆動力に寄与しうるかについての証拠が得られている。大陸リソスフェアは海洋リソスフェアよりも浮力が大きいので、大陸衝突の発端には収束速度が低下すると予測されるが、衝突後の速度についてはよくわかっていない。収束が遅くなる原因は、収束運動をさらに妨げる高い地形の発達であると一般的に考えられてきたが、大陸のマントルリソスフェアの変形のプレート運動における役割はこれまで考慮されてこなかった。本論文では、インド亜大陸のユーラシア大陸への進入速度は、それらの衝突以降、指数関数的に低下していることを示す。収束速度の指数関数的低下は、チベット全体の収縮歪みが、7.03×10−16s−1の歪み速度(現在の値と一致する)で衝突している間、一定であったことを示唆している。造山帯の体積歪み速度が一定であることは、収束運動が深部の比較的一様な層や境界に働く一定の平均応力(一定の力)によって抵抗を受けていることを示している。この知見は、チベットの下にあるマントルリソスフェアは損なわれていないという新しい証拠に追随するもので、この証拠はチベットの長期にわたる歪みの歴史はマントルリソスフェアの変形を反映しているという解釈を裏付けている。一定の応力と強度という条件では、変形する大陸リソスフェアは、地形がどのように進化したかに関係なくプレート運動に影響を及ぼす、ある種の粘性抵抗を産み出す。 Full Text PDF 目次へ戻る