Letter 構造生物学:イノシトール三リン酸とリアノジン受容体における重要なドメインの構造と機能の保存 2012年3月1日 Nature 483, 7387 doi: 10.1038/nature10751 イノシトール–1,4,5–三リン酸受容体(InsP3R)とリアノジン受容体(RyR)は四量体で、細胞内Ca2+チャネルである。これらの受容体ファミリーでは、カルボキシル末端膜貫通ドメインで形成される小孔が、大きな細胞質内構造によって検出されるシグナルによって調節されている。InsP3Rの開閉は、InsP3結合コア(IBC、InsP3R1の第224–604残基に当たる)へのInsP3の結合により開始され、これには抑制ドメイン(SD、InsP3R1の第1–223残基に当たる)が必要とされる。今回我々は、ラットInsP3R1のアミノ末端側領域(NT、InsP3R1の第1–604残基)の、InsP3が結合している構造(分解能3.6 Å)と、結合していない構造(分解能3.0 Å)を示す。3つのNTドメイン、すなわちSD、IBC–βおよびIBC–αの配置から、IBCとSDの間に2つの別の界面(αとβ)があることがわかった。同様の界面は、RyR1中のこれらに対応するドメイン(A、BおよびC)間にも存在する。InsP3Rの四量体構造に当てはめた3つのドメインの配向と、RyRへ当てはめたABCドメインの配向は、非常によく似ている。InsP3RとRyRの活性化にα界面が重要であることは、変異誘発実験により、またRyRについては疾病原因変異によって確認されている。InsP3の結合によって、二枚貝に似た形態のIBCは部分的に閉じた形となり、β界面が崩れてSDがIBCへと引き寄せられる。これにより、InsP3Rの活性に必須の露出したSDループ(ホットスポット(HS)ループ)の配向が変化する。このループはRyRでも保存されており、悪性高熱症やセントラルコア病に関連する変異にかかわっている。HSループは隣接したNTと相互作用するので、活性化によってサブユニット間界面の再配置が起こると考えられる。RyRのAドメインは、完全長InsP3R中のSDの機能を代替でき、C末端膜貫通領域をRyR1由来の膜貫通領域で置換したInsP3Rは、InsP3によって開閉し、リアノジンによって活性が遮断された。活性化機構はInsP3RとRyRの間で保存されている。N末端サブユニット中の2つの似たドメイン界面のアロステリック調節により第1のドメイン(SDまたはAドメイン)が再配置され、隣接したサブユニットの第2のドメイン(IBC–βまたはBドメイン)との相互作用により、第1のドメインが小孔を開閉できるようになる。 Full Text PDF 目次へ戻る