Letter 地球:海水準上昇に対する氷河と氷冠の最近の寄与 2012年2月23日 Nature 482, 7386 doi: 10.1038/nature10847 氷河と氷冠(GIC)は現在の全球平均海水準上昇に大きく寄与している。GICに対するこれまでの全球質量収支の見積もりは、そのほとんどがGIC地域のごく一部にあたる、空間的に粗い質量収支の観測結果の外挿に基づいており、海水準上昇に対する寄与の総体はよくわからないままになっている。本論文では、GICは、グリーンランドと南極周辺部のものを除いて、2003年1月から2010年12月までの間に148±30Gtyr−1の速度で質量を失っており、0.41±0.08mmyr−1の海水準上昇に寄与していることを示す。この結果は、GRACE衛星から毎月得られる衛星重力場の全球同時逆解析に基づいており、氷に覆われた領域で面積が100 km2を超えるものについての質量変化を計算している。2003年〜2010年のGICの消失速度は、以前に得られた質量収支の見積もりの中で我々の研究期間に最も近い期間のものよりも約30%小さい。特にアジアの高山地域の2003年〜2010年の質量喪失速度は4±20Gtyr−1に過ぎないが、、これまで発表された見積もりでは47〜55Gtyr−1となっている。完全を期するために、グリーンランドと南極の氷床は、周辺のGICを含めて、同じ時期の海水準上昇に1.06±0.19mmyr−1だけ寄与していると見積もった。これにより、氷に覆われた地域全体による海水準上昇への寄与の総計は1.48±0.26mmyr−1となり、これは陸地の氷の減少と他の陸域供給源によって生じた海水準上昇の独立した見積もりとよく一致している。 Full Text PDF 目次へ戻る