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医学:クローン選択が転移性髄芽腫に遺伝的多様性をもたらす

Nature 482, 7386 doi: 10.1038/nature10825

髄芽腫は最も多く見られる小児の悪性脳腫瘍であり、小脳内で発生し、脳と脊髄を被覆するクモ膜下腔内の脳脊髄液を介して播種する。播種は予後不良の指標であり、小児患者の髄芽腫診断時には最高で40%、再発時には患者の大半に認められる。そのため、髄芽腫の小児患者は、発達中の脳と脊髄全体への放射線照射、それに続く高用量の化学療法による治療を受け、神経系の発達に有害な影響が及ぶ。脳脊髄液を介した播種の機序に関する研究は進んでおらず、髄芽腫の転移巣は生物学的に原発腫瘍と類似すると考えられてきた。今回我々は、マウスおよびヒトの髄芽腫において、同個体からの転移巣間での類似性はきわめて高いが、転移巣と対応する原発腫瘍とは異なっていることを示す。転移巣のクローンに見出される遺伝的現象が認められるのは、原発腫瘍の限られたサブクローンのみであり、このことは、原発腫瘍内のごく一部の細胞のみが転移能を持つことを示唆している。転移性髄芽腫が原発腫瘍とはっきり区別されるという性質が不明だったことが、有効な標的治療の開発にとっての大きな障害となっている可能性がある。

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