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構造生物学:アンタゴニストと結合したヒトのムスカリン性アセチルコリン受容体M2サブタイプの構造

Nature 482, 7386 doi: 10.1038/nature10753

自律神経である副交感神経は、多数の臓器の活動を制御している。ムスカリン受容体はGタンパク質共役型受容体で、副交感神経から放出されるアセチルコリンに対する応答に関与する。ムスカリン受容体は臓器や中枢神経系の意識を伴わない調節に役割を果たしており、さまざまな病気の治療標的になる可能性がある。M2ムスカリン性アセチルコリン受容体(M2受容体)は、Gタンパク質共役型内向き整流性カリウムチャネルの活性化を介して心血管機能の生理的制御に重要な働きをしており、オルソステリックなリガンドとアロステリックなリガンドの両方をもち薬理学的特性が幅広いため、特に関心が持たれている。本論文では、アンタゴニストが結合したヒトM2受容体の構造を明らかにする。これは、我々の知る限りで初めての、ヒト・アセチルコリン受容体の構造解明である。アンタゴニストである3–キヌクリジニルベンジレートは、膜の約3分の2のところまで延びる長い水チャネルの中央部に結合している。オルソステリック結合部位はポケット状で、ムスカリン性受容体の5つのサブタイプすべてで同一のアミノ酸で構成されており、さまざまな生物種由来の機能的関連性のない他のアセチルコリン結合タンパク質と構造的相同性がある。また、複数のチロシン残基が層を作って芳香環によるふたとなり、結合したリガンドの解離を妨げている。アロステリックリガンドの結合部位は、この芳香環が作っているふたの近傍のオルソステリック結合ポケットの入り口にある残基であることがわかった。M2受容体のこの構造は、ムスカリン性受容体のサブタイプ選択的リガンドの開発と、そのアロステリック調節の傾向を知るという難問解決の手がかりとなる。

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