Letter 細胞:システイニルロイコトリエンI型受容体の脱感作はCa2+に依存する遺伝子発現を持続させる 2012年2月2日 Nature 482, 7383 doi: 10.1038/nature10731 受容体脱感作は生物学的応答を停止させる普遍的機構である。この過程によって、生理的刺激は存在し続けるにもかかわらず、それが細胞を活性化する能力は失われる。Gタンパク質共役型受容体の受容体脱感作には、受容体とGタンパク質の脱共役あるいはセカンドメッセンジャー経路からの解離とそれに続く受容体のインターナリゼーションが関与している。Gタンパク質共役型システイニルロイコトリエンI型(CysLT1)受容体は免疫細胞機能を調節している。また、CysLT1受容体は喘息などのアレルギーの治療標的となることが確証されている。CysLT1受容体の脱感作は主に、受容体カルボキシ末端の3個のセリン残基のプロテインキナーゼCに依存したリン酸化によって起こる。ロイコトリエンC4(LTC4)はこの受容体のアゴニストで、生理的濃度のロイコトリエンは、周期的な細胞内Ca2+振動を引き起こし、これはCa2+貯蔵部位(ストア)からの再生性の放出を表しており、この放出はストア作動性カルシウム遊離活性化カルシウム(CRAC)チャネルを介したCa2+流入により持続される。CRACチャネルは転写因子c-fos(細胞増殖と発生に重要な多数の遺伝子の調節因子)の発現と密接に関連している。本論文では、ラット細胞株でのロイコトリエン受容体脱感作の消失が、アゴニストが誘導する遺伝子発現を抑制することを示す。その機構は、脱感作されない受容体の刺激によって、イノシトール–3リン酸を介するCa2+放出の延長が起こり、それがCRACチャネルのCa2+依存性の緩やかな不活性化を加速し、それに続く興奮と転写の繋がりを消失させるというものである。したがって、Ca2+動員受容体の可逆的な脱感作は、生物学的応答を停止させるのではなく、免疫系で長期にわたってシグナル伝達を持続させる「オン」のスイッチとして機能している。 Full Text PDF 目次へ戻る