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医学:症候性自閉症を引き起こす変異から明らかになったシナプス病態生理の軸

Nature 480, 7375 doi: 10.1038/nature10658

結節性硬化症および脆弱X症候群は、知的障害および自閉症を特徴とする遺伝性疾患である。いずれの症候群も、ニューロンのタンパク質合成を制御する遺伝子の変異によって引き起こされるので、タンパク質の過剰合成が知的障害および自閉症の中心的な病態生理機構の1つであるとする仮説が提唱されている。今回我々は、Tsc2+⁄ −およびFmr1−⁄yマウスの海馬におけるニューロンのタンパク質合成を電気生理学的および生化学的に解析し、この2つの変異によって引き起こされたシナプス機能障害が、実際には生理学的スペクトルの両端にあたることを示す。これらの変異体に見られるシナプスの障害、生化学的および認知機能的障害は、代謝型グルタミン酸受容体5の活性状態を互いに逆方向に調節する処理によってそれぞれ正常化され、交配して双方の変異を保有させたマウスでは、変異体で見られるような障害は消失する。したがって、正常なシナプス可塑性および認知は、代謝型グルタミン酸受容体を介したタンパク質合成が最適の範囲内で行われることによって生じるのであり、その最適範囲からいずれの方向に偏っても共通の行動障害が現れると考えられる。

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