Letter 医学:Lynはin vivoで創傷部位への白血球の誘引を媒介する酸化還元センサーである 2011年12月1日 Nature 480, 7375 doi: 10.1038/nature10632 組織が損傷を受けると白血球が速やかに動員される。創傷、および「治癒していない創傷」の一種といえる腫瘍は、NADPH酸化酵素(NOX)を介して過酸化水素(H2O2)を産生する。この細胞外H2O2は、白血球、特に自然免疫の最初の応答細胞である好中球の損傷組織への動員を媒介する。しかしながら、好中球が創傷部位における酸化還元状態を検出するためのセンサーは知られていない。今回我々は、Srcファミリーキナーゼ(SFK)であるLynが、ゼブラフィッシュの幼生で創傷部位への当初の好中球動員を媒介する酸化還元センサーであることを突き止めた。好中球でのLynの活性化は組織損傷後の傷に由来するH2O2に依存しており、Lynの阻害により創傷部位への好中球の動員が低下する。SFKの阻害はまた、ヒトの初代培養好中球のH2O2を介した走化性を抑制した。in vitroでの解析により、単一のシステイン残基C466が、酸化によるLynの直接的な活性化を引き起こしていることがわかった。さらに、野生型Lynおよびシステイン変異体を組織特異的に遺伝子導入した再構築実験から、in vivoにおける好中球の創傷応答と下流のシグナル伝達にLyn C466が重要であることが示された。これは、多細胞生物において創傷部位への白血球の誘引を媒介する生理的酸化還元センサーの、我々が知るかぎりで初めての同定である。 Full Text PDF 目次へ戻る