Letter 発生:E2FとCRL4CDT2によるショウジョウバエのエンドサイクル制御 2011年12月1日 Nature 480, 7375 doi: 10.1038/nature10579 エンドサイクルは、有糸分裂を伴わずにDNA合成(S)期とギャップ(G)期を繰り返す、変型の細胞周期である。このような細胞周期は、多くの無脊椎動物や植物の細胞で有糸分裂終了後の成長を促進しており、至るところで見られ、世界の生物量の半分にも相当するほどである。エンドサイクルを行うショウジョウバエ(Drosophila)細胞では、DNA複製はサイクリンE/サイクリン依存性キナーゼ2(CYCE/CDK2)によって引き起こされるが、次のS期のための複製前複合体(preRC)が集合できるように、このキナーゼは各G期で不活性化されなければならない。再複製を行うためにCYCE/CDK2が周期的に抑制される機構については、まだ明らかにされていない。本研究では、遺伝学的実験とコンピューターモデルを並行して用い、ショウジョウバエのエンドサイクルが分子振動系によって駆動されることを示す。この系では、E2F1転写因子がCycEの発現とS期の開始を促進し、続いてS期がCRL4CDT2ユビキチンリガーゼを活性化し、これによりE2F1の分解が仲介される。我々は、S期での一過的なE2F1の消失が、preRC形成に必要とされる低Cdk活性期を生み出すという説を提案する。このモデルを支持する結果として、過剰発現したE2F1はエンドサイクル進行を加速したが、安定化された変異型のE2F1は、CycEや、Cdk1や有糸分裂サイクリン群などの標的遺伝子が調節できなくなることにより、エンドサイクルを阻害した。さらに我々は、栄養条件の変化やラパマイシン標的タンパク質(TOR)シグナル伝達による細胞成長の変化が、E2F1の翻訳に影響を及ぼし、その結果としてエンドサイクルの進行が成長依存的になることがわかった。この新規の細胞周期振動系に必須の調節性相互作用の多くは動物や植物で保存されており、この機構の要素が大部分の成長依存的な細胞周期で作用することを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る