Letter 化学:電気的に駆動される4輪分子の金属表面での方向性を持った動き 2011年11月10日 Nature 479, 7372 doi: 10.1038/nature10587 単一分子を、改造されていない表面に沿って制御して動かすことは、依然としてきわめて困難である。それは、光、化学、電気エネルギーを利用して表面との相互作用を調節し、動きを生じることができる分子が必要だからである。自然界に存在するモータータンパク質は、コンホメーション変化を方向性のある動きに変換することが可能で、DNAウォーカーや、光や酸化還元によって駆動される分子モーターなどの人工システムの設計を促すことになった。しかし、単一分子を表面に沿って制御して動かす例は報告されているが、このような例では分子が優先方向に拡散するが前進と後退の確率が等しい受動素子として、あるいはSTMティップによって引きずられる受動素子として機能している。今回我々は、4つの機能ユニット(我々が以前に報告した回転モーター)を持ち、逐次的な電子励起と振動励起により連続的で一定のコンホメーション変化を起こす分子について報告する。非弾性電子トンネリングを介して回転子のコンホメーション変化を活性化することによって、この分子がCu(111)表面上で一方向に向かって動くことが、走査トンネル顕微鏡観察で確認された。この系は、個々のモーターユニットのキラリティーの調節によって、直線的またはランダムな表面軌跡をたどるように、あるいは静止するように改造できる。我々の設計は、運動方向が制御されたより巧妙な分子機械系を探究する出発点となる。 Full Text PDF 目次へ戻る