Article 細胞:乳腺の発生・発達と維持には複数の特異的な幹細胞がかかわっている 2011年11月10日 Nature 479, 7372 doi: 10.1038/nature10573 乳腺上皮は、管腔細胞、腺房細胞や筋上皮細胞など、複数の細胞系譜で構成される。移植研究から、乳腺上皮は多能性の乳腺幹細胞の存在によって維持されることが示唆されている。生理的条件下での乳腺の細胞の階層構造を明らかにするために、我々は、マウスの発生・発達期、成体期および妊娠期における乳腺の遺伝学的細胞系譜追跡実験とクローン解析を行った。出生後の安定状態にある乳腺では、管腔および筋上皮の両方の細胞系譜に、長寿命で強い自己複製能を示す分化単能性幹細胞が含まれることがわかった。こうした強い自己複製能は、形態形成過程および成体期にクローン性の増殖を行うことと、数回の妊娠過程の間に大量増殖する能力によって実証された。乳腺で複数種の長期生存する幹細胞の存在が実証されたことは、乳腺の生理学的特性の解明に大きな意味を持ち、また、乳がんの起源となる細胞の解明にも役立つだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る