リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)は、光合成において大気中CO2の固定を触媒するが、その基質であるリブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)と不活性な複合体を形成しやすい。植物では、RubiscoはAAA+(ATPases associated with various cellular activities)タンパク質であるRubiscoアクチベース(Rca)により再活性化されるが、紅藻のRubiscoに対してそのような働きをするタンパク質は知られていない。今回我々は、CbbXタンパク質が紅藻型Rubiscoのアクチベースであることを突き止めた。紅色非硫黄細菌のRhodobacter sphaeroides由来の集合していないCbbXの分解能3.0 Åでの結晶構造から、AAA+タンパク質構造が明らかになった。電子顕微鏡観察と生化学的解析から、CbbXを機能的に活性な六量体リングに変換するにはATPとRuBPが結合しなくてはならないことがわかった。CbbXのATPアーゼ活性は、RuBPとRubiscoにより大幅に高くなる。変異解析から、CbbXはRubiscoの大サブユニットのカルボキシル末端のペプチドを一時的に六量体リングの穴に引き込むことによって機能しており、その結果、阻害性のRuBPが解離すると考えられる。Rubisco活性化機構の解明は、光合成生物によるCO2取り込みやバイオマス生産の効率向上の取り組みを促進するかもしれない。