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細胞:Rad51パラログRad55–Rad57は、Rad51フィラメント形成の際にアンチリコンビナーゼSrs2の働きを相殺する

Nature 479, 7372 doi: 10.1038/nature10522

相同組み換えは、忠実度の高いDNA修復経路である。組み換えは、減数分裂時の正確な染色体分離に重要な役割を果たすだけでなく、DNA修復や停止した複製フォーク、壊れた複製フォークの修復を行って、ゲノムの安定性を確保する働きをする。これに対して、不適切な組み換えはゲノム不安定化の一因となり、ヘテロ接合性の喪失、染色体の再編成や細胞死につながる。タンパク質のRecA/UvsX/RadA/Rad51ファミリーは組み換えの特徴的な反応である相同性検索、DNA鎖の侵入を触媒する。真核生物にはRad51パラログも存在するが、その組み換えにおける役割の詳細は解明されていない。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のRad51パラログであるRad55–Rad57ヘテロ二量体が、Srs2ヘリカーゼの組み換え抑制作用を妨げることを明らかにする。Rad55–Rad57ヘテロ二量体はRad51–一本鎖DNAフィラメントに結合して、Rad51だけを含む核タンパク質フィラメントよりも安定にする。このRad51–Rad55–Rad57を持つフィラメントは、Srs2アンチリコンビナーゼによる破壊に抵抗するが、それはSrs2の移動を阻害するからで、これにはRad55–Rad57とSrs2との直接的なタンパク質間相互作用がかかわっている。これらの結果は、Rad51パラログが、生物学的に重要なアンタゴニストで組み換え抑制作用を持つSrs2ヘリカーゼに対抗してRad51フィラメントを安定化するという、予想外の役割を担っていることを示している。この機構の生物学的意義は、rad55あるいはrad57変異体の電離放射線感受性が、生物学的アンタゴニストについて予想されるように、SRS2を同時に欠失させることによって完全に抑制されることから明らかである。Rad51シナプス前フィラメントは準安定な可逆的中間体であり、その構築と解体はRad55–Rad57とSrs2とのバランスに支配されており、これが相同組み換えの開始を制御する重要な調節機構となっていると考えられる。今回の知見は、がんの素因やヒトの病気にかかわることが知られているヒトRAD51パラログの機能について考えられる新たな枠組みを提示している。

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