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生化学:酸素耐性ヒドロゲナーゼの結晶構造によって明らかになった新規の鉄–硫黄中心

Nature 479, 7372 doi: 10.1038/nature10505

ヒドロゲナーゼは多量に存在する酵素で、H2のプロトンと電子への可逆的な相互変換を高効率で触媒する。O2存在下で活性を維持しているこうしたヒドロゲナーゼは、酵素を使う燃料電池や光によって駆動されるH2生産のような、H2を利用する技術の中心となると考えられている。広範囲にわたる遺伝学的、生化学的、電気化学的、また分光学的な研究にもかかわらず、触媒中心がO2による不可逆的不活化から保護される仕組みを構造から説明できる分子基盤はまだわかっていない。今回我々は、好気性水素酸化細菌Ralstonia eutropha H16由来の酸素耐性[NiFe]-ヒドロゲナーゼの分解能1.5 Åでの結晶構造を示す。ヘテロ二量体であるこの酵素は、H2が還元状態にある触媒中心を含む大サブユニット1個と、3つの異なる鉄–硫黄クラスターからなる電子伝達経路を含む小サブユニット1個からなる。活性中心の近傍にある鉄–硫黄クラスターは前例のない[4Fe-3S]構造で、6つのシステインが配位している。現在使われているモデルでは、この補因子は活性部位に近づく気体分子の性質に依存する電子スイッチとして働いており、H2酸化の過程での電子受容体として、また活性中心へのO2攻撃に対抗する電子送達装置としても機能している。この二重の機能は、生理的な酸化還元電位で3つの酸化還元状態をとることができる新規の鉄–硫黄クラスターの機能によっている。2番目の構造的特徴は、水が入る伸びたキャビティが作るネットワークで、これは[NiFe]活性部位で生成される水の除去を促進する経路として機能している可能性がある。これらの知見は、大気中でH2サイクルが可能な生物学的また化学的H2変換触媒の設計に影響を与えるだろう。

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