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生化学:酸素耐性膜結合型[NiFe]ヒドロゲナーゼの[4Fe-3S]クラスターの構造基盤

Nature 479, 7372 doi: 10.1038/nature10504

膜結合型呼吸性[NiFe]ヒドロゲナーゼ(MBH)は細菌のペリプラズムに存在してH2の取り込みにかかわる酵素の1つで、水素の酸化(H2 → 2H+ + 2e)を触媒する。詳しく研究されているO2感受性[NiFe]ヒドロゲナーゼ(標準型ヒドロゲナーゼと呼ばれる)とは対照的に、MBHのH2酸化活性は酸素存在下でも維持されるが、そのO2耐性の仕組みは解明されていない。今回我々は、好気性水素酸化細菌の一種Hydrogenovibrio marinusのMBHについて、3通りの異なった酸化還元条件のもとで分解能1.18〜1.32 Åの結晶構造を決定した。MBHの活性部位に最も近い(近位)鉄–硫黄(Fe-S)クラスターは[4Fe-3S]構造を持ち、6個のシステイン残基が配位していることがわかった。これは、標準型酵素に見られる、4個のシステイン残基が配位した[4Fe-4S]キュバン構造とは異なるものである。また、化学的に酸化されるとポリペプチド骨格のアミド窒素1個が脱プロトンされてこのクラスターに配位するために、クラスターの過酸化状態が安定化されることが見いだされた。MBHの構造は、上記の近位Fe-Sクラスター以外は標準型のO2感受性酵素と非常によく似ている。今回の結果から、MBHのO2耐性が独特な近位Fe-Sクラスターを持つためであることが、合理的に説明できる。このクラスターは、触媒サイクルのために電子伝達を行うだけでなく、O2を適切に還元するのに必要な2個の電子と1個のプロトンを供給して、酵素の活性化までに時間のかかる不活性状態になるのを防いでいると考えられる。

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