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量子情報科学:炭化ケイ素中の欠陥スピンキュービットの室温コヒーレント制御

Nature 479, 7371 doi: 10.1038/nature10562

半導体中の電子スピンは、量子力学現象に対する外部制御の限界を調べるため幅広く使われている。この研究の長年にわたる目標は、将来先進的な情報・通信技術に用いるために、容易に操作できるロバストな量子系を発見あるいは開発することである。窒素空格子点中心と呼ばれるダイヤモンド中の点欠陥には、室温でも個々に扱うことができる固体量子ビット(キュービット)として利用可能な原子スケールの電子スピン状態があるため、最近、大きな関心を集めている。これらの優れた量子特性がきっかけとなって、他の半導体でも同様の欠陥が探されている。それは、ダイヤモンドの窒素空格子点中心では得られない機能的広がりが見つかる可能性があるためである。その中でも、炭化ケイ素(SiC)中のいくつかの欠陥は、計算による予測と磁気共鳴データを組み合わせた研究から、探求する価値のある候補と考えられている。本論文では、4HポリタイプSiC(4H-SiC)中のいくつかの欠陥スピン状態が、20から300 Kの温度範囲で光学的に操作でき、時間領域でコヒーレントに制御できることを実証する。我々は、ダイヤモンドの窒素–空格子点キュービットで使われたのと同様の光およびマイクロ波技術により、4種類の等価でない形態の中性炭素–ケイ素2空格子点それぞれのスピン1基底状態と、起源のわかっていない一対の欠陥スピン状態を調べた。これらの欠陥は通信波長付近で光学活性であり、工業規模の結晶成長技術と先進的な微細加工技術がすでに存在する母材中に見いだされている。さらに、これらはダイヤモンドの窒素–空格子点中心に匹敵する、望ましいスピンコヒーレンス特性を備えている。そのため、これらは量子自由度を古典的な電子技術や光技術と融合するフォトニクス、スピントロニクス、量子情報でのさまざまな用途について有望な候補となる。

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