Letter 免疫:非標準的なインフラマソームの活性化はカスパーゼ11を標的にする 2011年11月3日 Nature 479, 7371 doi: 10.1038/nature10558 細胞内NOD(nucleotide-binding oligomerization domain)様受容体(NLR)とそのアダプターASCから構成されるインフラマソームを足場とするカスパーゼ1の活性化は、炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-1βおよびIL-18の自然免疫応答の間の産生に不可欠であると考えられている。今回我々は、C57BL/6 Casp11遺伝子ターゲッティドマウスを用いて、カスパーゼ11(カスパーゼ4としても知られる)が、大腸菌(Escherichia coli)、腸粘膜肥厚症菌(Citrobacter rodentium)もしくはコレラ菌(Vibrio cholerae)に感染したマクロファージでのカスパーゼ1活性化とIL-1β産生に不可欠であることを示す。129系統のマウスは、Casp11−/−マウスと同様にIL-1β産生に欠陥があり、カスパーゼ11発現を低下させる変異がCasp11遺伝子座に存在した。すでに報告されているCasp1遺伝子のターゲッティングは129系統の胚性幹細胞を用いて行われているので、この発見は重要である。Casp1とCasp11はゲノム中の位置が近すぎて組み換えによって分離できない。その結果、既報のCasp1−/−マウスは、カスパーゼ11とカスパーゼ1の両方を欠損している。Casp11−/−マクロファージは、ATPおよび尿酸一ナトリウムに応答して正常にIL-1βを分泌し、このことはカスパーゼ11が非標準的なインフラマソームによって活性化されることを示唆している。C57BL/6細菌人工染色体導入遺伝子由来のカスパーゼ11を発現するCasp1−/−Casp11129mt/129mtマクロファージは、刺激に関係ないIL-1β分泌が見られないので、IL-1β産生にカスパーゼ1が必須の役割を持つことが確認された。しかし、非標準的なインフラマソームによって誘導されるマクロファージの細胞死には、カスパーゼ1ではなくカスパーゼ-11が必要であり、カスパーゼ11がカスパーゼ1に依存する産生と非依存的産生の両方を調整していることが示された。非標準的な刺激によるカスパーゼ1活性化にはNLRP3とASCが必要だが、カスパーゼ11のプロセシングと細胞死には必要ではないので、カスパーゼ11のまた別の活性化因子が存在すると考えられる。さらに、カスパーゼ1でなくカスパーゼ-11の欠損が、致死量のリポ多糖からマウスを防御した。これらのデータは、臨床上重要な細菌感染に対する自然免疫応答におけるカスパーゼ11の独特な炎症誘導性の役割を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る