Article 脳:ヒトの脳の時空間的トランスクリプトーム 2011年10月27日 Nature 478, 7370 doi: 10.1038/nature10523 脳の発生・発達および機能は、遺伝子発現の正確な調節に依存している。しかし、ヒトの脳のトランスクリプトームの複雑性および動態は十分には解明されていない。本研究では、さまざまな民族の男女に由来する発生・発達中および成人のヒト死後脳の複数の脳領域および新皮質領域から、エキソンレベルのトランスクリプトームおよび関連付けされた遺伝子型解析データを取得して分析した。その結果、分析した遺伝子の86パーセントは発現しており、その90パーセントは全転写産物またはエキソンのレベルで脳領域や時期によって差別的に調節されていることがわかった。これらの時空間的な差異の大部分は出生前に認められ、その後、領域ごとのトランスクリプトームの間の類似性は増大した。トランスクリプトームは異なる共発現ネットワークに分けられ、性別によって偏った遺伝子発現およびエキソン使用状況が認められた。また我々は、神経生物学的なカテゴリーおよび疾患と関連する遺伝子のたどる発現変化も明らかにするとともに、一塩基多型と遺伝子発現との関連性を特定した。本研究は、ヒトの脳のトランスクリプトームに関する包括的データセット、およびヒトの神経発達の転写レベルでの基盤に関する手がかりをもたらす。 Full Text PDF 目次へ戻る