Letter 生化学:フルクトース-1,6-ビスリン酸アルドラーゼ/ホスファターゼの二機能性の構造基盤 2011年10月27日 Nature 478, 7370 doi: 10.1038/nature10457 酵素は特定の反応を触媒し、生命の維持に必須である。そのいくつかは二機能性とされているが、それらは異なる触媒ドメイン2つ、あるいは無差別的な基質特異性を示すドメイン1つからなっている。つまり、1つの酵素活性部位は、一般的には1種類の生化学反応を担っている。こういう通常概念に反しているのが、古細菌のフルクトース-1,6-ビスリン酸(FBP)アルドラーゼ/ホスファターゼ(FBPA/P)で、これは1つの触媒ドメインからなるが、糖新生における化学的に異なる2つの反応、すなわち(1) ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)とグリセルアルデヒド-3-リン酸(GA3P)のFBPへの可逆的なアルドール縮合、(2) FBPのフルクトース-6-リン酸への脱リン酸化、を触媒している。したがって、FBPA/Pは活性部位が1つの特定の反応を担っている通常の酵素と根本的に異なっている。しかし、FBPA/Pがその例外的な二機能性を実現する分子機構はまだわかっていない。今回我々は、重要なリシン残基がDHAPとシッフ塩基を形成しているアルドラーゼ型FBPA/Pの分解能1.5 Åでの結晶構造を報告する。このアルドラーゼ型と以前に決定されたホスファターゼ型との構造比較から、活性部位の大規模なコンホメーション変化が明らかになり、FBPA/Pが活性部位の構造を変形させて2種類の活性を示すことが実証された。したがって、今回の知見は1つの酵素が1種類の生化学反応を触媒するという通常概念を拡張するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る