Letter 地球:チリのチャイテン火山における急激な噴火開始の際に岩脈貫入と断層制御が果たした役割 2011年10月20日 Nature 478, 7369 doi: 10.1038/nature10541 流紋岩は、液体マグマの中で最も粘性の高いものである。そのため、チリの南アンデス火山帯に位置するチャイテン山で2008年5月2日に流紋岩質マグマが4時間足らずで5 km以上の深さから移動し、前兆地震活動が2日間検出されただけで爆発噴火したことは意外であった。チャイテン山の噴火以前に起こった最後の大きな流紋岩噴火は、1912年に起こったアラスカのノバラプタ火山噴火であり、これは20世紀における最大の噴火であった。流紋岩噴火は歴史的に珍しく、爆発的な噴火になりやすいこと、またチャイテン山噴火前の前兆活動が異例の短さだったことから、チャイテン山でのマグマ供給系、また流紋岩マグマ供給系一般の動きに関する情報はどんなものであれ、科学的および防災的な観点の双方にとって重要である。本論文では、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)のだいち衛星(ALOS)によるレーダー干渉計観測に基づく、チャイテン噴火に関連する地表変動データを提示する。この爆発的な流紋岩噴火に関するデータは、流紋岩質マグマの急激な上昇が岩脈貫入を通して起こり、メルトの分離とマグマ溜まりが既存の断層によって制御されていたことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る