Article 進化:哺乳類臓器の遺伝子発現量の進化 2011年10月20日 Nature 478, 7369 doi: 10.1038/nature10532 生物種間の表現型の差異の多くは、遺伝子発現の変化によるものだと考えられている。しかし、遺伝子発現の進化の大規模解析は、技術的な制約のために最近まで行われていなかった。本研究では、哺乳類トランスクリプトームの進化の動態を明らかにすることを目的として、10種の動物の6つの臓器から得たポリアデニル化RNAの塩基配列解読を行った。対象とした動物は、哺乳類の主要系統のすべて(有胎盤類、有袋類、および単孔類)および鳥類(進化的外群として)に属するものである。遺伝子発現の進化速度は、臓器間、系統間、および染色体間で異なっており、これは選択圧に差があるためだとわかった。トランスクリプトームの変化は、神経組織では遅いが精巣では速く、類人猿や単孔類よりも齧歯類のほうが遅く、形成直後のX染色体で速かった。哺乳類の遺伝子発現の進化は純化選択によって強く形作られていたが、選択的に駆動されると考えられる発現スイッチが多数見つかった。これらのスイッチは、系統や組織によって異なる速度で現れており、さまざまな哺乳類の特定臓器の生物学的性質に寄与したと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る