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材料:生体を模倣し自己をテンプレートとする超分子構造体

Nature 478, 7369 doi: 10.1038/nature10513

自然界では、さまざまな階層構造材料の形態形成や機能性の実現に、コラーゲン、キチン、セルロースなどのらせん状巨大分子が不可欠である。組織形成の際には、これらのキラル高分子が分泌され、自己テンプレーティングによって集合する。これは、到来する構成要素の集合に、複数の動的要因が影響して、非平衡構造体を生成する過程である。さまざまな条件下での自己テンプレーティングにより、単一巨大分子から多様な機能性構造体を形成できる。例えば、I型コラーゲンは、直交配列したネマチック繊維からは透明な角膜組織を、コレステリック相繊維束からは独特な色の皮膚組織を、階層的に組織化された繊維からは石灰化組織を形成する。自己テンプレーティングによって形成された天然材料は、現在のトップダウン式やボトムアップ式作製法で実現できる機能的・構造的複雑性を凌駕している。しかし、自己テンプレーティングは、合成材料の設計を目的として十分に調べられてきてはいない。今回我々は、キラルコロイド粒子(M13ファージ)の、生体を模倣した自己テンプレーティングによる機能性材料への集合を実証する。一段階過程によって、長距離秩序超分子膜が形成され、これは複数レベルの階層的組織化とらせん状ねじれ構造を示す。この方法で、ネマチック・直交ねじれ構造体、コレステリック・らせんリボン、スメクチック・らせん体ナノフィラメントという3種の異なる超分子構造体が形成される。集合時にテンプレーティングによって形成される構造体の形態を決定するのに、キラル液晶相転移と界面で競合する界面力の両者が重要であることがわかった。こうして得られた材料は、独特の光学特性とフォトニック特性を示し、キラル反射体/フィルターや構造色マトリックスとして機能する。さらに、遺伝学的に導入された生理活性ペプチドリガンドを持つM13ファージは、階層的に組織化された様式で、軟組織と硬組織の両方の成長を方向付ける。我々の集合形成法は、自然界における階層的集合の複雑性を理解する手がかりとなり、また他のキラル分子に範囲を広げることで精巧な機能性らせんねじれ構造体を設計できるようになるかもしれない。

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