Letter

地球:大酸化事変の際に起こった好気性細菌による黄鉄鉱の酸化と酸性岩の流出

Nature 478, 7369 doi: 10.1038/nature10511

酸化還元を起こしやすい微量金属の古代海洋堆積岩中での濃縮は、地球の陸上表面が酸化された時期の決定に用いられている。クロム(Cr)は、大気の酸素化が大陸風化過程に及ぼす影響の追跡に使われるようになってきた代理指標の1つである。それは、Crの海洋への供給は陸上過程によって支配されており、その過程は先カンブリア代の鉄鉱層のCr同位体組成に記録されていることがあるからである。しかし、過去と現在の海水のCr同位体組成を支配する要因はよくわかっていない。本論文では、海洋Cr供給に対する独立した補足的記録を、鉄に富んだ堆積岩中のCr濃度と自生作用による濃縮という形で提示する。我々のデータはCrは陸上では約2.48 Gyr前までほとんど移動しなかったことを示しているが、その後の160 Myr以内(大酸化事変に伴う酸素化の独立した証拠と同じ時期に)にCr含有量とCr/Ti比の著しい変化が見られ、これは歴史上他に類がない規模でCrの溶解度が増したことを示している。その時期のCr同位体分別ははっきりしておらず、Crは主に還元されたCr(III)の形で移動したと考えられる。我々は、大量に存在しそれ以前は安定だった地殻の黄鉄鉱貯蔵庫の、好気呼吸する化学合成無機独立栄養細菌による、酸化のみが、超苦鉄質源岩と残積土からのCr(III)の溶出を増やすのに必要な酸性度を生成できたことを立証する。2.48 Gyr前に始まった風化形態のこうした大きな変化は、好酸性好気性細菌の存在とその結果生じた酸性岩の流出の知られているうちで最古の地球化学的証拠となっており、溶存硫酸塩と硫化物に保持された微量元素の海洋への供給量がその時期に増加したことを示す独立した証拠の説明となる。このモデルは、始生代–古原生代境界が陸上の地球化学的性質と生物の大きな変化で特徴付けられることを示す蓄積されつつある証拠をさらに増やすものである。

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