Letter 量子情報科学:コヒーレントな光子変換を使った効率的な量子計算 2011年10月20日 Nature 478, 7369 doi: 10.1038/nature10463 単一光子は優れた量子情報の担体である。単一光子はエンタングルメントの最初の実証に使われたし、これまで報告された中で最高品質のエンタングルメントの生成にも使われた。しかし、現在使われている単一光子の生成、処理、測定のための方式は効率がよくない。例えば、下降変換では、伝令付きの単一光子が得られるが、タイミングがランダムで、線形光学ゲートは本質的に確率的である。本論文では、決定論的過程、すなわちコヒーレントな光子変換(CPC)について述べる。これは、光子量子情報の応用に用いる複雑な多量子状態を生成し、処理する新しい方法である。この手法では古典的に励起した非線形性を使って、複数の量子的励起の直交状態間にコヒーレントな振動を起こす。励起した4波混合相互作用を使うCPCの1つの例では、単一の多機能なプロセスにより光子量子情報処理手段のフルセットが得られることが示された。このセットはスケーラブルな量子計算アーキテクチャーに対するDiVincenzoの判定条件を満たしており、新しい形の光子–光子相互作用に基づく決定論的マルチキュービットエンタングルメントゲート、高次の不完全性がない高品質の伝令付き単一光子状態および多光子状態、およびロバストで高効率の検出を含んでいる。これはまた、伝令付き多光子エンタングルメントの生成、光学的にスイッチ可能な量子回路の作製や、高次効果が減った改善された形の下降変換の実装にも使える。このような手段は量子により可能となる多くの技術における有用な構成要素となる。さらに、フォトニック結晶ファイバーを使って、CPCに適した4色の非線形過程から生じる量子相関を実験により実証し、そしてこれら測定結果を使って、現在の技術により到達可能な決定論的領域について検討した。我々の方式は、相互作用するボソン場に基づいており、光学系に限定されるものではないが、きわめて強い固有の非線形性がある光学機械系、電気機械系、および超伝導系でも実行可能であろう。さらに、多数の励起場による高次の非線形性を用いれば、複雑なコヒーレントなダイナミクスの多者間仲介のための機構が得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る