Letter 構造生物学:胆汁酸ナトリウム共輸送体ASBTの細菌ホモログの結晶構造 2011年10月20日 Nature 478, 7369 doi: 10.1038/nature10450 コレステロールレベルが高いと心血管疾患のリスクが著しく増大する。コレステロールの約50パーセントは、その胆汁酸への変換により体から排出される。しかし、胆管から放出された胆汁酸は、定常的に再利用されており、腸で頂端側ナトリウム依存性胆汁酸輸送体(ASBT、SLC10A2としても知られている)により再吸収される。ASBTの特異的な阻害剤により血漿コレステロールレベルがかなり低下することは動物モデルで示されており、そのためASBTは高コレステロール血症薬の標的となっている。今回我々は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)由来のASBT細菌ホモログ(ASBTNM)の分解能2.2 Åでの結晶構造を報告する。ASBTNMは、5本の膜貫通ヘリックスを持つ、逆向き構造リピートを2つ含んでいる。6つのヘリックスからなるコアドメインは2つのナトリウムイオンを保持しており、残りの4本のヘリックスが1列に並んで、平らなパネル様ドメインを形成している。全体として、このタンパク質の構造は、検出できる配列相同性はないにもかかわらず、ナトリウム/プロトン交換輸送体NhaAと非常によく似ている。ASBTNMの構造は、基質であるタウロコール酸存在下で得られており、タウロコール酸はコアとパネルドメインの間にある内向きの大きな疎水性空洞中に結合している。この空洞に近い残基は、ヒトASBTの特異的阻害剤の結合に影響を与えることが示されている。タウロコール酸分子が占める位置、および分子構造から、考えられる輸送機構の原理を提案する。 Full Text PDF 目次へ戻る