Letter 物性:超伝導磁束キュービットとダイヤモンドの電子スピン集団とのコヒーレント結合 2011年10月13日 Nature 478, 7368 doi: 10.1038/nature10462 この10年間、ジョセフソン接合を利用した超伝導量子ビット(キュービット)に関する研究は、急速な進歩を遂げた。多くの基礎実験が行われ、現在では超伝導キュービットは量子情報処理用の最も有望な系の1つと考えられている。しかし、実験的に報告されたコヒーレンス時間は、将来の大規模量子計算には不十分なようである。この問題に対する自然な解決策は、原子系や分子系を利用して設計された専用の人工量子メモリーである。そのような自然の系と巨視的な単一人工原子とのコヒーレントな量子結合がそもそも可能なのかという疑問は、ジョセフソン接合回路における巨視的量子コヒーレンスが最初に実証されて以来、注目を集めてきた。今回我々は、1個の巨視的超伝導人工原子(磁束キュービット)とダイヤモンドの窒素–空孔色中心(NVセンター)という形の電子スピン集団との間に、コヒーレントな強結合が存在する証拠について報告する。さらに、我々は、そのような色中心約3 ×10 7個からなる巨視的スピン集団と1個の磁束キュービットとの間で、エネルギー量子1個のコヒーレントな交換振動が起こることを観測した。この結果は、将来の量子メモリーや、マイクロ波系と光学系のコヒーレントな量子結合を可能にするハイブリッドデバイスの基礎を築くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る