Letter 地球:火山性脱ガス圧の変化により引き起こされた大気の酸素化 2011年10月13日 Nature 478, 7368 doi: 10.1038/nature10460 地球の先カンブリア時代における歴史は2つの主要な出来事を特徴とする。それは、始生代末期に起こった短期間の大陸地核形成と、それに続いて24億5,000万年前に起こった大気の弱い酸素化(大酸化事変)である。この酸素化は、酸素を発生するシアノバクテリアの出現と火山ガス組成の変化に関連しているが、噴出した溶岩の組成とは関連がなく、地球化学的拘束条件は玄武岩の酸化状態とその生成源であるマントルは35億年前から一定であったことを示している。本論文では、火山性脱ガスの平均圧力の低下が火山ガス中の硫黄の酸化状態を変化させ、現在の生物地球化学的硫黄サイクルを開始させて大気の酸素化のきっかけとなったことを提案する。噴出するマグマの気相–液相平衡状態をシミュレートする熱力学的計算を用いて、ほとんどが海中にあった始生代の火山はSO2/H2S < 1で硫黄含有量が少ない気体を生成したことを示す。全球的な海水準低下により大陸が出現し、始生代後期に大陸地殻が成長したため、地上の火山活動が広範囲に広がり、その結果、ずっと硫黄に富みSO2が支配的なガスが生成された。さらに、硫黄が海水に溶解して硫黄の還元過程が始まることで大気の酸化が可能となったのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る