Letter 大気:大気エアロゾル核形成における硫酸、アンモニアおよび銀河宇宙線の役割 2011年8月25日 Nature 476, 7361 doi: 10.1038/nature10343 大気エアロゾルは、層状雲のアルベドと寿命への影響や対流性擾乱の活性化を介して、気候に重大な影響を与える。モデル計算からは、大気境界層における全球の雲凝結核のほぼ半分が微量の凝結可能な蒸気からのエアロゾルの核形成に由来するが、核形成率変化に対する雲凝結核数の感度は小さい可能性が示唆されている。広範な研究にもかかわらず、硫酸粒子の核形成速度や原因となる機構については、銀河宇宙線やアンモニアなどの他の化学種の役割を含めて、基本的な疑問が解明されていない。今回我々はCERNにおけるCLOUD実験からの最初の結果を報告する。100 pptv以下という大気中に実際に存在しうる混合比のアンモニアによって、硫酸粒子の核形成速度が100〜1,000倍以上に増加することがわかった。時間分解分子測定によって、核形成がアンモニア分子の段階的な付着がかかわる塩基安定化機構で進行することが明らかになった。地表面での銀河宇宙線強度では、律速段階となるイオン対生成速度を核形成速度が超えないならば、イオンは核形成速度をさらに2倍から10倍以上増加させる。対流圏中層ではH2SO4–H2Oの二成分核形成がイオンによって生じる可能性があるが、境界層では無視できる程度であることが明らかになった。しかし、アンモニアとイオンによって形成速度が大きく増加しても、大気中のアンモニア濃度と硫酸濃度は、境界層における核形成の観測結果を説明するのに十分ではない。 Full Text PDF 目次へ戻る