Letter 社会:国内紛争は地球の気候と関係している 2011年8月25日 Nature 476, 7361 doi: 10.1038/nature10311 地球規模の気候変動は、広域的な暴力、さらには文明の崩壊という出来事までも引き起こしてきたとする説が提唱されている。しかし、従来の研究では、暴力が地球の気候によって生じうることは示されておらず、いくつかの例で偶発的な気象事象と紛争との相関の可能性が示唆されたのみである。今回我々は、現代の気候で支配的なエルニーニョ/南方振動(ENSO)という年々変動を分析することにより、地球規模の気候変動を国内紛争の世界的パターンと直接関連付けた。歴史学では、遠い過去にENSOが国内紛争の世界的パターンの推進力となった可能性が論じられているが、今回我々はその仮説を現代に拡張して定量的に検討した。1950年から2004年までのデータを使い、エルニーニョの年には、ラニーニャの年と比較して、熱帯全域にわたって国内紛争が新たに発生する確率が2倍になっていることが明らかになった。この結果は、1950年以降の全国内紛争の21%にENSOが関与していた可能性を示しており、現代社会の安定性が地球の気候と強く関係していることを初めて実証するものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る