Letter 考古:エゾマメタニシ類の蓋に基づく英国第四紀の年代的枠組み 2011年8月25日 Nature 476, 7361 doi: 10.1038/nature10305 海洋および氷床コアの記録は、第四紀(約260万年前から現在まで)の地球が氷期と間氷期とを繰り返してきたことを示しているが、陸上の断片的な記録を特定のサイクルと相関させることは困難な場合が多い。アミノ酸層序解析法(aminostratigraphy)は、陸上の層序を深海記録の海洋同位体ステージ(MIS)と関連付ける可能性が見込まれる手法の1つである。我々は、淡水腹足類エゾマメタニシ属(Bithynia)の方解石性の蓋に保存されているアミノ酸を抽出し分析する新しい手法を用いて、英国更新世の単一の年代測定法に基づく最も包括的なデータセットを得た。アスパラギン酸/アスパラギン(Asx)、グルタミン酸/グルタミン(Glx)、セリン(Ser)、アラニン(Ala)、およびバリン(Val)を用い、タンパク質分解の程度に基づき、第四紀全体にわたる74か所から収集した合計470個の蓋を、相対年代順に並べた。この新しいアミノ酸層序解析法は、標準層序、地質年代学的に独立した地点、生層序、および段丘層序の層序学的関係と一致する。この方法から、陸上の層序の中で、アングリアン期(MIS 12)から完新世までに間氷期が4回あったことが裏付けられる。MIS 15より後の間氷期の多くでは英国に人類が居住していたことが確認されたが、最終間氷期(MIS 5e)には人類が存在しなかったという説が裏付けられた。アイルワースの高木のない「アプトン・ウォーレン亜間氷期の最適条件」がMIS 3より前の年代なのではないかという疑問が確定された。この新しいアミノ酸層序解析法は、気候的、生層序学的、および考古学的モデルを検証することのできる確固とした枠組みとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る