Article 遺伝:アフリカ系アメリカ人における組み換えの全体的状況 2011年8月11日 Nature 476, 7359 doi: 10.1038/nature10336 組み換えは変異とともに、集団内に遺伝的多様性を生み出す。今回我々は、アメリカ大陸ではアフリカ系とヨーロッパ系の人々が最近混合したことを活用して、血縁関係のないアフリカ系アメリカ人3万人で調べた約210万の交差に基づき、ゲノムの各点における交差の確率を測定し、遺伝子地図を作製した。3メガ塩基以上の間隔で見た場合、この地図はヨーロッパ人を対象に作製された遺伝子地図とほとんど一致した。もっと細かく見た場合には顕著な違いがあり、西アフリカ系の人々では組み換えが頻発するがヨーロッパ人ではほとんど起こらないホットスポットを、約2,500か所同定した。これらのホットスポットで交差が起こる確率は、個体がPRDM9遺伝子座に持つ対立遺伝子によって、ほぼ完全に制御されている(P値 < 10−245)。これらのホットスポットには、17塩基対からなる1種類のDNA配列モチーフが多く存在し、西アフリカ人に広く見られるがヨーロッパ人にはめったに見られないPRDM9対立遺伝子の、結合標的配列候補にきわめてよく一致することがわかった。このモチーフのある部位は、こうした対立遺伝子を持つ個体で病因となるゲノム再編成が起こるリスクの高い遺伝子座と予測される。もっと一般的には、この遺伝子地図はヒトの遺伝的変動と進化の研究に役立つ情報源となるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る