Letter

量子情報科学:マイクロ波ドレスト状態を使った量子ゲートおよびメモリー

Nature 476, 7359 doi: 10.1038/nature10319

汎用的な量子情報処理の基本要素として使えることは、すでに実証に成功している。それにもかかわらず、このような方法を拡張して、大規模かつ汎用的な量子情報処理(あるいはより特殊な量子シミュレーション)を実現することは依然として難問のままである。複雑なレーザー系ではなく、制御が容易で安定なマイクロ波源を使えば、スケーラビリティーに対する障害を除去できる可能性がある。しかし、マイクロ波法にも欠点がある。それは、磁場に敏感な状態を使うため、コヒーレンス時間が大幅に短くなり、また大きく安定な磁場勾配が必要となる点である。本論文では、マイクロ波によって誘起された(すなわち、磁場敏感な状態にマイクロ波をドレスさせた)定常的な原子の量子状態を量子ビットとして用いることにより、この2つの問題を解決する方法を示す。これによって、小さい(有効な)ラム–ディッケパラメーターが存在するという、中程度の磁場勾配の場合でも高速の量子論理操作が可能になる。実験により、このスキームの基本構成ブロックを実証し、ドレスト状態が長寿命であり、コヒーレンス時間は裸の磁場敏感状態の場合と比較して2桁以上も長くなることを実証した。この方法は、マイクロ波に駆動されたイオントラップ量子情報処理の見通しを改善し、また中性原子、窒素格子欠陥、量子ドット、あるいは回路量子電気力学系などの、磁気雑音を受けるすべての系のコヒーレンス時間を延長する道を開く。

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