Letter 気候:メタン増加率の低下は北半球の微生物源の減少によって説明される 2011年8月11日 Nature 476, 7359 doi: 10.1038/nature10259 大気中のメタン(CH4)は20世紀の大半を通して増加したが、この増加傾向はしだいに弱まり、世紀の変わり目頃に安定な状態に一時的に達し、その後また増加した。減速の原因は完全には解明されておらず、原因となる重要な要因として過去の研究で挙げられているのは、化石燃料、湿地帯と農業の排出源、ヒドロキシル基(OH)の吸収源の変化である。本論文では、20世紀後半以降のCH4の増加率の変化が、北半球の微生物源の減少によって最もよく説明されることを示す。我々の結果は、大気中のCH4の混合比と13C/12C比の同期時系列および大気の2ボックスモデルに基づいており、混合比の時間的変化には、南半球の放出源の1984年から2005年までの期間における相当度の変化が必要ないことを示す。13Cの半球間での差異の変化の観測から、化石燃料排出の減少は減速の主な要因としては事実上除外される。13Cの観測結果は、北半球における農業による放出や他の微生物源の長期的な減少と一致する。北半球でのCH4放出の減少のおよそ半分(51±18%)は、施肥の増加と水利用の減少に伴う、アジアでの稲作農業からのメタン放出の過去30年間にわたる減少によって説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る