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構造生物学:CENP-Aを含むヒトのセントロメアヌクレオソームの結晶構造

Nature 476, 7359 doi: 10.1038/nature10258

真核生物では、有糸分裂中、あるいは減数分裂中に起こる正確な染色体の分離は、微小管結合のための特異な染色体部位である動原体により調節されている。セントロメアは、各々の染色体の動原体形成部位を規定しており、セントロメア特異的なヒストンH3のバリアント(変種)であるCENP-Aを含むヌクレオソームの集積により後成的に特徴付けられている。その基盤となる機序は明らかになっていないが、セントロメアの継承は、おそらくセントロメアヌクレオソームの構造により決定されている。今回我々は、CENP-Aとその同系αサテライトDNA誘導体(147塩基対)を含むヒトのセントロメアヌクレオソームの結晶構造を報告する。ヒトCENP-Aヌクレオソームでは、ヒストンH2A、H2B、H4、CENP-Aをそれぞれ2分子ずつ含むヒストン八量体に、左巻きの配向でDNAが巻き付いている。しかし、通常のH3ヌクレオソームと異なり、DNAの中央の121塩基対のみが観察される。一方、DNAの両端の13塩基対は結晶構造中で可視化されず、CENP-AのαNヘリックスは、通常のH3ヌクレオソーム中のDNA端の配向に重要であることが知られているH3のそれより短い。CENP-AとH3ヌクレオソームの構造比較により、CENP-Aはループ1領域中に2つの余分なアミノ酸残基(Arg80とGly81)を含んでおり、これらは溶液に完全に露出していることが明らかになった。CENP-Aのループ1残基の変異により、ヒト細胞セントロメアでのCENP-Aの保持率が減少した。したがって、CENP-Aのループ1は、おそらくトランス作用因子の結合部位を提供することで、CENP-Aを含むセントロメア染色体安定化に重要なのだと考えられる。この構造は、セントロメア特異的なヌクレオソームの原子分解能の描像を初めて明らかにしている。

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