Letter 物性:銅酸化物超伝導体におけるスピン揺らぎと電子対形成の関連 2011年8月4日 Nature 476, 7358 doi: 10.1038/nature10308 高転移温度銅酸化物での超伝導が従来型ではないことは広く認められているが、スピン・電荷(ストライプ)秩序、超伝導揺らぎ、モット絶縁体との近接性、擬ギャップ相、量子臨界などの現象の相対的重要性については、依然として議論が続いている。電子ドープ銅酸化物では、相図のアンダードープ領域に異常な擬ギャップ相が存在せず電子相関が弱いことが、モット物理やその他の未確認の競合秩序がそれほど関連せず、反強磁性スピン揺らぎが支配的な特徴であることを示唆している。今回我々は、電子ドープ銅酸化物La2−xCexCuO4の薄膜における磁気輸送について調べた。温度に線形依存する散乱率が銅酸化物の異常な常伝導状態特性の重要な特徴であり、電子対形成と相関していることがわかった。また、そのような散乱のエンベロープが超伝導相を囲んでおり、磁場によって超伝導が抑制されるとゼロ温度まで存続することも明らかにする。有機超伝導体に見られる同様の挙動との比較結果は、電子ドープ銅酸化物における抵抗率の温度への線形依存性の原因がスピン揺らぎ散乱であることを強く示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る