Letter 医学:NK細胞を介した免疫圧へのHIV-1の適応 2011年8月4日 Nature 476, 7358 doi: 10.1038/nature10237 ナチュラルキラー(NK)細胞は、ウイルス感染の制御に重要な役割を担っており、さまざまな活性化受容体や抑制性受容体を介してウイルス感染細胞を認識する。最近、疫学研究および機能研究から、NK細胞は、活性化KIR(killer immunoglobulin-like receptor)および抑制性KIRの両方によるウイルス感染細胞の認識を介して、HIV-1感染の制御にも寄与しうることが示唆されている。しかし、ヒトでNK細胞がin vivoの抗ウイルス性免疫圧を直接仲介できるかどうかは明らかになっていない。本論文では、慢性感染者のHIV-1塩基配列には、KIR関連部位のアミノ酸多型が集団レベルで存在することを述べる。我々は、このようなKIR関連部位のHIV-1塩基配列多型により、HIV-1感染CD4+ T細胞への抑制性KIRの結合が高められること、また、KIR陽性NK細胞の抗ウイルス活性が低下しうることを示す。これらのデータは、KIR陽性NK細胞がHIV-1に免疫学的圧力をかけられること、また、これまでにウイルス特異的なT細胞や中和抗体で示されているように、ウイルスは塩基配列多型を選択することで、このようなNK細胞を介する免疫圧を回避できることを示している。したがって、NK細胞には、ウイルスの進化に寄与する、これまで正しく評価されていなかった役割があるのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る