Article 生理:覚醒状態のラットに見られる局所的睡眠 2011年4月28日 Nature 472, 7344 doi: 10.1038/nature10009 覚醒状態では、大脳皮質のニューロンは不規則に発火しており、脳電図(EEG)記録は低振幅で高振動数の変動を示す。一方、睡眠状態では、ニューロンは覚醒時の脳と同様に発火する「オン」の時期と、発火を完全に止めてEEG記録が振幅の大きな徐波を示す「オフ」の時期の間を往復する。しかし、覚醒状態を長時間続けるとニューロン発火にどのようなことが起こるのかはわかっていない。今回我々は、長時間覚醒させている自由行動ラットでは、皮質ニューロンが睡眠時と似た短い「オフライン」期に入ることがあり、それに伴って局所的EEGに徐波が現れることを示す。1つの皮質領域のニューロンは頻繁にオフライン状態になっても、別の皮質領域はそうではなかった。また、こうした「局所的睡眠」の発生率は、覚醒状態が長くなるにつれて増し、局所的睡眠の間もラットは活動状態のままで、「覚醒」のEEGを示す。ただし、これらのラットでは、砂糖粒に手を伸ばす課題の成績が徐々に落ちていく。したがって、EEGや行動上は覚醒を示していても、皮質ニューロンの局所的集団が眠りに落ちて、作業遂行に負の影響が出てしまう可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る