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細胞:生体分子の持続的定向進化システム

Nature 472, 7344 doi: 10.1038/nature09929

実験室での進化は、目的とする特性を持つ数多くの生体分子を作り出してきたが、変異導入、遺伝子発現、スクリーニングあるいは選択、および複製といった一連の過程(ラウンド)には、通常数日以上かかり、頻繁に人為的介入を必要とする。進化の成功はこのラウンドの回数によって決まるため、実験室での進化を持続的かつ迅速に行う方法ができれば進化の効果が急激に向上する可能性がある。実験では進化サイクルの個々のステップが加速されてきたが、持続的な定向進化のこれまでの唯一の例はWrightとJoyceの画期的な研究だけである。彼らは、in vitro複製サイクルによってRNAリガーゼリボザイムを進化させたが、残念ながらこれを他の生体分子に適応することは容易ではない。今回我々は、大腸菌(Escherichia coli)のタンパク質産生に関連する、遺伝子にコードされた分子の持続的定向進化を可能にするシステムについて述べる。ファージが補助する持続的進化(PACE;phage-assisted continuous evolution)の間、進化中の遺伝子は目的とする活性に依存した様式で、改変バクテリオファージ生活環を通って宿主細胞から宿主細胞へと輸送される。人為的介入なしに、たった1日のPACEで進化ラウンドが数十回起こりうる。我々は、PACEを使ってT7 RNAポリメラーゼ(RNAP)変異体を進化させた。この変異体は特定のプロモーターを認識し、GTPの代わりにATPを使って転写を開始させ、またCTPを使って転写を開始させる。一例では、PACEによって、8日の間にタンパク質の進化が200ラウンド行われた。これらのケースのうち2例では、検出できないほどの活性レベルから始めて、3つの標的活性のそれぞれを持つ酵素がPACE開始後1週間以内に出現した。3つのケースすべてで、PACEが進化させたポリメラーゼ活性は、野生型プロモーターに対する野生型T7 RNAPの活性を超えるか、またはそれに匹敵し、その向上の程度は数百倍に及ぶ。PACEによって実験室での進化を大幅に加速することにより、これまで手ごわかった定向進化の問題が解決され、分子進化の新たな疑問に対処できるようになる可能性がある。

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