Letter 生理:広範な遺伝子産物がI型インターフェロンの抗ウイルス性反応のエフェクターとなる 2011年4月28日 Nature 472, 7344 doi: 10.1038/nature09907 I型インターフェロンの応答は、ウイルス病原体の侵入から細胞を防御する。この防御を仲介する細胞性因子は、ISG(interferon-stimulated genes)の産物である。ISGは25年以上前に発見されて以来、何百種類もが同定されてきたが、抗ウイルス活性について調べられたものはごくわずかである。ISGの産物の大半については、抗ウイルス活性を持つ可能性、その標的特異性、並びにその作用機序がほとんど明らかにされていない。今回我々は、過剰発現によるスクリーニングを行い、さまざまなウイルスがそれぞれ特有の組み合わせのISGの標的となることを示す。各ウイルス種は複数の抗ウイルス遺伝子に感受性があり、そうした抗ウイルス遺伝子は全体として幅広い抑制活性をもたらすことがわかった。このスクリーニングでは、380を超えるヒトISGを調べ、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、ウエストナイルウイルス、チクングニアウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス1型などの、ヒトおよび動物にとって重要な複数のウイルスに対する複製阻害能について検討した。IRF1、C6orf150(MB21D1としても知られる)、HPSE、RIG-I(DDX58としても知られる)、MDA5(IFIH1としても知られる)およびIFITM3などのエフェクターは広範に作用したのに対し、DDX60、IFI44L、IFI6、IFITM2、MAP3K14、MOV10、NAMPT(PBEF1としても知られる)、OASL、RTP4、TREX1およびUNC84B(SUN2としても知られる)は、より標的を絞った抗ウイルス特異性を示した。ISGをペアとして組み合わせて発現させると、中程度の用量のI型インターフェロン投与と同程度の、累積的な抗ウイルス効果が現れた。機構研究の結果、多数のエフェクターで翻訳阻害という共通機構があることが明らかになった。ADAR、FAM46C、LY6EおよびMCOLN2をはじめとするいくつかのISGが特定のウイルスの複製を促進したことは、高い多面発現性を示すI型インターフェロン系には、さらに複雑な作用が存在することをはっきり示している。 Full Text PDF 目次へ戻る